民主主義 democracy 2005 6 24
民主主義を全世界に広げるという話を聞きますが、
民主主義の「粗製乱造」にならないように、民主主義の「質」にも留意すべきです。
偉大な政治家であるリンカーンは、現代においては、当選できなかったでしょう。
なぜならば、リンカーンは、顔が悪かったらです。
テレビ時代の現代において、顔が悪いことは致命的と言えます。
しかし、これが、民主主義と言えるのでしょうか。
選挙とは、顔やイメージを選ぶのではなく、政策を選ぶべきです。
しかし、現状では、選挙が、芸能人の人気投票のようになっています。
リンカーン Abraham Lincoln 2005 2 21
クリントン氏は、大統領時代に、
優秀な政治家であることを証明する実績を残しました。
しかし、もし、クリントン氏の顔が悪かったら、
ブッシュ元大統領には勝てなかったでしょう。
クリントン氏は、田舎の州の州知事で、
ブッシュ元大統領は、その政治的な実力や実績について、誰もが認めるところでした。
顔が悪くて、大政治家になれたのは、リンカーンだけでしょう。
しかし、そのリンカーンも、テレビ時代の現代では、大統領には当選できなかったでしょう。
私は、政治家の美容整形を否定しません。
優秀な政治家が、顔が悪いために、トップに立てないならば、国家にとって損失です。
民主主義が正しく機能していない現状では、政治家の美容整形は、やむを得ないと思います。
なぜならば、こんな現状があるからです。
有権者は、日頃から、娯楽、ファション、グルメに夢中になっていますので、
いざ選挙となると、選挙が、芸能人の人気投票のようになってしまうのです。
つまり、候補者を、顔やイメージで選ぶのです。
選挙とは、政策選択の場でありますが、
政策の是非というものは、日頃から勉強していないと、正しく判断できないでしょう。
こうした現状を改革するには、学校教育において、
「政治経済」の授業を増やすとともに、
大学入試においては、「政治経済」を必須科目にすべきです。
また、国民に対しては、意識改革を呼び掛ける必要があります。
いつも、新聞のテレビ面や社会面しか読まない人は、
結局、選挙において、政策判断ができず、芸能人の人気投票のようになってしまいます。
新聞は、もっと多くの人にわかりやすく、「政治経済」の紙面を改良すべきです。
テレビについても、大いに改善の余地があります。
報道番組といっても、現実は、事件報道ばかりです。
将来、警察官や刑事になりたいならばともかく、
一般の人には、過剰な事件報道は必要ないのです。
報道番組において必要なのは、政治経済のニュースです。
事件報道は、ニュースの終わりに流す程度で十分です。
もう一度言いますが、選挙とは、政策選択の場です。
しかし、こうしたことは、日頃から、政策を知り、勉強していないと無理です。
少なくとも、民主主義国の国民で、有権者ならば、
「日頃から、娯楽、ファション、グルメに夢中になっている」という姿勢を改めるべきです。